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Landschaft

曲がり梁の、あひるちゃん。

公開日:2021-01-13 カテゴリー:伝統工法 タグ:

2年前、荒山林業さんで切らせてもらった材の中に、曲がった材がありました。

根曲がりといって、雪や斜面の影響で曲がってしまった材で、普通の市場に出せば価値は低いものとされます。

その材を梁に使ったものが「曲がり梁」といいます。古民家などでは、ぐにゃぐにゃの梁を、何層にも組んであるものを見かけることもありますね。そのように使えば、断面も有効に活かせるし、繊維を切断しなくてよいので強度も強くなります。

 

ですがわたくし、伝統構法推しにも関わらず、実は曲がり梁の梁組みがあまり好みでないのです。

 

古民家だと気になりません。その時に使える材を有効に使ったんだなあ、と思えるからでしょうか。色も黒くなっているし、高さもあるし。
でも、新築でどうだ!っていう曲がり梁が入っていると、「これぞにっぽんの大工の技!」みたいなのを、ことさらにアピールするようで…。ちょっと恥ずかしいというか。白いハコみたいな家に慣れている目からすると、ちょっとお腹いっぱいに感じられるように思います。

 

そんな中、今回この子がいたのです。(いや、2年前から分かっていたことではあります。)

山側の香山さんからも「こういうのをどう使ってくれるか楽しみ」と言われ、
製材をお願いした高橋林業さんからも、「こういうのを使わなきゃ―」と言われ、
大工のしももとさんからも「ある木を活かしたほうがいいんじゃないですかね」と言われ。

 

曲がり梁、一本だけ採用することになりました。(しぶしぶかよ)

これ見よがしなのでなく、一見さらっと収めてください、という、あいまいな要望とともに。

 

太鼓梁といって、側面を平らに挽いて、上下の曲面を残します。
元口(根本側)と末口(木の)で太さも違いますし、基準高さをどこにするかなど、なかなかの腕の見せ所です。

 

一皮むけたら、この美しさ!

山側の人たちは、きっとこうなった姿を見越して、活かしてやってくれと言うのでしょうね。

きっと生えていた山では、「あの子、曲がっちゃってかわいそうね」と周りの木に噂され。だけど大人になってみれば、きれいな梁に生まれ変わる。それって、みにくいアヒルの子のようだなあと。

そんな訳で、この梁をあひるちゃんと呼ぶことにしました(いや白鳥だったんじゃないのとかツッコミはなし)。

 

普通だったら、残念な使われ方をしたかもしれない曲がり材。
この子もまた、ラッキーな星のもとに生まれた、ということでしょう。

 

お会いしたことはないけれど、荒山雅之さんの何かの一部を引き継ぐようで、嬉しいです。

 

その他の材もすべて手刻みの加工ですが、曲がり梁は特に手が掛かります。

仕口の加工。

曲面カンナをかけてもらって、準備万端!

2月上旬には上棟となる見通しとなってきました。乞うご期待です!

 

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