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Landschaft

ソマミチツアーのちから。ー荒山林業95年のカラマツに会う。

公開日:2017-02-25 カテゴリー:信州, 林業 タグ:,

ソマミチさんのソマミチツアーに行ってきました!

大正時代に植えられた、95年もののカラマツを訪ねる旅。


スノーシューを履いて、ざくざくざくざく歩いていきます。

ここは、荒山林業さんの山。荒山林業さんは大町市に約250haをもつ林業家で、その7割が広葉樹の自然林、3割が針葉樹の人工林とのこと。江戸時代から続く山主さん兼林業家さんですが、特に先代の荒山雅行さんが、広葉樹を活かす「択伐林経営」を目指して活動されてきた方として知られています。

択伐林(たくばつりん)とは
利用目的に適した大きさに成長した木を選んで切り、その跡に後継樹を育てて、つねに老幼、大小さまざまな立木(りゅうぼく)で構成された林をいう。次代の後継樹の育成は天然更新による場合と植栽や直(じか)挿しによる場合がある。皆伐林では収穫は一度に集中するが、択伐林では数年または十数年おきに収穫ができるので収入が安定する。また大径で良質・高価な材の生産に適している。さらに収穫のとき林床を裸出して表土を流すことがないので地力を害することがなく、林の構成が複雑なため気象害や病虫害に抵抗性が高いなど多くの利点がある。しかし、伐採のとき残す木を傷めないためには高度の技術が必要であり、路網の整備も必要で、後継樹を目的どおり育てる技術も複雑で高度な知識を必要とする。高度な技術を身につけた技術者が育てば、択伐林施業は望ましい施業である。数は少ないが優れた篤林家が択伐林の経営を行っている。[蜂屋欣二・藤森隆郎]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

ふむふむ、この解説に納得です。メリットも多いけれど、高度な知識と技術が必要なのですね。

荒山林業の、荒山りりさん。偉大な林業家であった旦那さま、荒山雅行さんの遺志をついで、山を守ってらっしゃいます。

木のことから荒山雅行さんのことまで、止まらぬマシンガントーーク!パンチのある、おねえさまです。荒山さんもこの魅力にはまったが最後抜けられなかっただろうことは想像に難くありません笑。
実は以前一度お会いしたことがあって、「荒山さんの山、行きたいです!」と熱くお伝えしていたのでした。「あー、みどりちゃんね。やっぱり来たわね。」と憶えていてくださったようで嬉しい。また緑色のころ来ますー!

青空と、針広混交林(しんこうこんこうりん)。

針広混交林というのは、広葉樹と針葉樹とが混生する森のこと。
これまで植林されてきたスギやマツなどの針葉樹だけの人工林から、広葉樹と針葉樹が混ざり合った「針広混交林」を目指す方向へと、林業の流れも変わってきています。針葉樹を間伐したところに広葉樹が育つようにし、さらにその下に山アジサイなどの雑木があるというような複層化した「針広混交林」をつくる。実生(みしょう)とよばれる、こぼれ種から育った広葉樹を残しつつ、針葉樹も植林し、森全体を見ながら、間伐などをして材を活用していきます。
単一的な山から、多様性のある森へ。人も、それにここちよさを感じると思います。そんな森が増えて、人が入って行けるようになったらいいなあ。

そんな訳で、「はい、これは何でしょうかー?」という出題は、針葉樹に限りません。

ウリハダカエデ。樹皮の模様がちょうちょみたい。冬の蝶ですね。これは荒山さんが残したがっていた木なんだとか。

こちらが95歳のカラマツさんです。

屋久杉みたいな巨木をイメージしていると、あっと思うほどスレンダーです。寒い地方に育ったため、ぎゅぎゅっと身が詰まった木になるのですね。実はこの雪の下に、大風で倒れたこのクラスの木が何本も横たわっているとのこと。どんな風に活用されるのか、楽しみですね。

カラマツの、木取りの図。

カラマツは、寒い厳しい環境に向いた木だそうで、関東から来た私としては、まだなじみが薄いのですが、ねじれが生じやすい材と言われています。でもここまで育ってきた材を有効に生かすため、研究が進められています。真ん中はどうしてもねじれるのでそこを外すことと、乾燥の技術の向上で、外壁材などの板材や構造材にも使えるようになってきたのだそう。

ブナ。青空が青すぎて。

関係ないけど地衣類(ちいるい)が好きです。

 

とにかく、愛されている山でした。

おもしろいキャラクターのみなさんが、

おもしろい木々たち一本一本の、キャラクターを把握している。

その関係性がとても素敵。

私もそんな関係の木が、山が欲しいなあと、思いました。

そして、荒山雅行さんに、お会いしてみたかった。

 

こんな活動をされているソマミチさんは、

ほんとうのことしかしない、という印象。

この時代、ビジネス的にメリットのありそうなことに、つい着手してしまいそうだけれど、

それはしない、と決めて、すっくと立っている。

この時代、それでは難しいことも多々あるのではないかと思うけれど、

何とも背筋の伸びたスタンス。

 

今回は、参加者の皆さんも、木工家さんなどプロの方ばかり。

お客さんというよりは、何か一緒にできることはないか、という目線だと感じました。

うん、つながれば、きっと形になるに違いない!

 

私は、山でもやはり参加型で何かできないか、と考えたり。

ちからをいただきました。

コメント

  1. 宇田川隆 より:

    昨日、ソマミチツアーでご一緒させて頂いた宇田川と申します。穂高の木工屋です。
    お疲れ様でした。
    早速、ランドシャフトさんのHP拝見させて頂きました。
    面白そうで楽しそうなコトやってますねー!
    住空間をいじることは、根が大工だったもので血が騒ぎます!?
    また何か面白そうな企み?がありましたら、交ぜてください。
    ひとまず、ご挨拶まで。

    • landschaft_rootm より:

      宇田川さん、ありがとうございます!
      私も宇田川さんとのお話から、小さな木工品をつくるなら…などと色々考えております。笑
      お店にもお邪魔しに行きたいです。
      今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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