ゾウに追われて気がついた、住まいの基本。1/2
アフリカにいた頃、ゾウに追いかけられたことがあります。
*1これはイメージ写真です。
それは、マラウイ共和国。カスングナショナルパーク*2内のダートの道を、レンジャーと二台のバイクで走っていたときのこと。進行方向少し先の茂みから、ガサガサと大きなゾウが現れたのです。
私たちはバイクを停めて、ゾウに見入りました。すごく近く感じたけれど、実際2・300メートルは離れていたはずです。それでも、地続きで、相対して、その大きさの存在感をただただ圧倒的に感じていました。
レンジャーは念のためバイクを反対に向けておこうと言い、2台のバイクを反転させたあと、私たちは写真撮ろうとのんきに盛り上がっていました。
やがて、その大きなゾウは、長い鼻を持ち上げてヒクヒクさせ、こちらの匂いを嗅ぎはじめました。
つづいて耳を横に広げ、パタパタさせました。
後で聞いたところによると、それは威嚇の合図なのだとか。
しばしの沈黙ののち、突然、わし、わし、とこちらに向かってきました。
ゾウはああ見えて、時速40キロで走れます。
!!!
逃げろ!
顔面蒼白です。
それはもう、ライオンに追われるシマウマのきもち。
フクロウに狙われた小動物のきもち。
キックスタートのバイクのエンジンを必死ででかけて、一心不乱にもと来た道を走りました。
後で聞いたところによると、茂みの中に他の仲間がいたようで、それを守ろうとしたのではないかとのこと。
怒ったゾウには、鼻でぼかーんと叩かれるらしいです。
エンジンが掛かってよかった。ダートで転ばなくてよかった。
何とか無事逃げ切ることができて、今ここにいるという訳です。
生きもののいのちは紙一重だなあと。
あれ、住まいの話はどこかに行ってしまいました。
長くなったので次回に続きます!
【蛇足】
*1 これがたぶん、遭遇時の写真。
*2 Kasungu national park
マラウイにある国立公園。以下の動画、1:30-3:30あたりをみていただくとパークの雰囲気が分かります。Taking back Kasungu-(カスングを取り戻せ)という野生動物保護が主題なので、殺害された動物の映像が出てきます。苦手な方はご注意ください。3:02秒あたり、両側が茂みの部分が、遭遇場所とうり二つ!
*蛇足の蛇足
車で回るサファリなら、動物たちも慣れているので、こんな目にあうことはありません。
ライオンに襲われて死亡!なんていうのは新聞に載るレベルです(全くないわけではない)
日本でも熊や猿などの野生動物との境界があいまいになってしまっていますが、同様のことがアフリカでも起きています。