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Landschaft

荒壁ワークショップ、終了しました!

公開日:2017-06-20 カテゴリー:ワークショップ, 土壁 タグ:, ,

荒壁ワークショップ、終了いたしました!みなさま、ありがとうございました!
2回連続ご参加の方がほとんどで、参加者の方の言葉を借りれば「チームのよう」なみなさんと、
荒壁を無事塗り終えることができました!

前回より簡略化されたごあいさつの後、まず、養生(ようじょう)をします。
 
最後に表しになる(=見えたままになる)柱の部分などを汚さないように、
マスキングテープやマスカーと呼ばれるものでガードしていきます。

では次に、コテの持ち方講習。


人差し指と中指の間に入れて持ちます。


まつだ焼印入りのコテ、貸していただきました。

こんな風に土を乗せます。

できるかな?結構難しい!

できた!

今日は、壁土を一輪車で運ぶことにしました。

まつださんはポンプを持ってきてくださると言っていたのですが、
おうちで実践するときはポンプないですもんね。

建築現場でネコと言えば一輪車。
一輪車で土などを運ぶことを、ネコ押し(ねこおし)といいます。
猫好きという意味ではありません。

重いと、バランスを取るのが難しいです。
ちなみに、この写真でネコ押しをしている方はたまたまねこ推しですが、
ねこ推しでない方もネコ押しはできます。。

まつださんのデモンストレーション。左上から始めます(右利きの場合)。

土を取ったら、置くようにして塗る。

土がなくなったら、すかさず渡す。(※遅いと怒られます)

また塗る。


ちなみに、ワークシューズは今日もビーサンです。


はい出来上がり。

毎度のことですが、見てると簡単そう。ですが…やってみましょう!

この写真左の、土を渡す係の人を「才取り」と言います。

さい‐とり【才取り】
足場の上にいる左官に、助手が下から壁土・漆喰 (しっくい) などを渡すこと。また、その助手。
出典:デジタル大辞泉

三人塗り手がいて、才取りが一人だったりするので、才取りの方がずっと大変なのだとか。
確かにコテ板一杯分の土はかなり重く、才取り棒に取るだけで最初は四苦八苦。
ですが、見よ、この楽しそうな才取りチーム!↓↓↓

こちらは才取り女子チーム。

そこはかとない、わんこそば感。


おかわりをどうぞ。


バイオリニストSさんは、
改修中のご自宅の(蔵の?)、壁を20センチばかり切り取って持ってきてくださいました。
(写真撮り忘れ!よし小舞でしたよ)

 
馬ふん的に土を落として、苦笑い。
後半にはコテ板を持つ左手が重くて、つい肩にのせていた、という、恐るべしバイオリニスト魂。

まつださんのようには、表面は平らにならないのですが、まずは置いてくる感じで。

Sさんも、石窯のあるカフェ開業準備中。
今回のWSで土壁が気に入って、増築部分を土壁にしたくなってきたとか。
フフフSさん、思うつぼです。

中から見たら、市松模様みたいになってきました。


油絵の下地の質感が好きで、壁が好き、というMさん。イーゼルの前の画家のようです。


前回クギをくわえていたSさんは英語×教育がご専門でした。
まつだ左官海外進出の際はよろしくお願いします!


今回から参加のAさん。半農半陶芸家という、土のプロフェッショナル。
店主Rさんが、Aさんの作品をお持ちだったという偶然が、ここでつながったというのが嬉しいです。
土のプロフェッショナルも、バフン的に落ちた土を前に呆然としています。
大丈夫、今回外壁は板を貼りますので外側は汚してもよい!という方針で行っております!

 

このあたりで、「むにゅ感」なる言葉が生みだされました。
【用法】「いいむにゅ感ですね」「むにゅ感が足りませんね」
裏側の土の様子のことです。

土壁は、竹小舞の間から荒壁の土がむにゅっと出てきて一体につながることで、
壁としての強度が出ます。
だからあんまり土が出ていないと(=むにゅ感が足りないと)よろしくないのです。


まつださんは、塗るのは軽くでいいと言っていましたが、
一般人の腕力では、軽すぎるとあまりむにゅっと出てきません。
かといって何度も押し付けていると裏側にボトボト落ちてしまいます。
「裏に個性が出るねー」とどなたかが仰っていましたが、確かにその通りでした。面白いですね。

こちらは総力戦になってきました!

さ、区切りがつけにくいですけど、おひるですよー!

今日も、店主Rさんのすてきなランチです!


今回は取り分けスタイルにしてくださいました。


あ、まつださん、早弁禁止ですよ!


(今回はセルフ取り分けスタイルだったため、盛り付けはご了承を)
テンペのフライ、ペンネ2種類、おにぎりも二種類、たけのこと蕗の煮物、山梨から持って帰ってきてくださったとうもろこし…などなど。キュウリにつけるみそも自家製のものだったりと、ひとつひとつのメニューが丁寧につくられているのが分かります。
それは見えないところにも手を抜かないこの建物とも、似ているのかもしれません。

テンペって?という方もいたので、マクロビオティックなごはんの体験の場ともなったようです。
(かく言う私も、先日「三年番茶」をRさんに教えていただきました。三年寝かすのではないのですね…)


今回は、槍ヶ岳にも登るという登山家のお母さまとご用意くださいました。ありがとうございます!
高井さんのコメントによれば:

このお店の店主のお昼ご飯とおやつは最高〜〜〜

昼ご飯の時間中ずーーっと食べてたような気がしますが、

お腹にもたれず午後も絶好調。

本当に、その通りです。
そんなカフェ、梅玄(うめくろ)さんというお名前になるとのこと。
この建物とRさんのつくるごはん、どちらにもすごくしっくりくるお名前です。
オープン時期は秋ごろで、あとはしももとさんのがんばりに掛かって…(以下略)。

 

さあ、午後の部開始です!

まつだ親方は、三角の難しいところを。
この部分、建築的には、妻(つま)部分といいます。
昔は妻が家の端っこにいたから…という説もあるとか、ほんとでしょうか?
そんな男尊女卑な用語なら、私はこれからここを三角コーナーと呼びたい。


三角コーナーを塗るまつださん。


こちらも、三角コーナーを塗るまつださん。

土の方では、ちょっと硬いかもということで、水を追加。このフネのつくりかたも、後日アップ予定。

しももとさんが泥遊び…泥こねをはじめると、


高井さんが笑いながら写真を撮る。
本格派でありながら、面白さを忘れないみなさんです。


前日の薪割りで腕を痛めていたというOさん。腕は大丈夫だったでしょうか。
そのうちワインをつくりたいとか、いいですね~。ぜひ土蔵ワインセラー建てましょう!

内側から見たところ。塗りあがってきました!

塗った翌日あたりから、こうやって「裏返し(うらかえし)」をして、竹小舞が見えなくなるくらいまで塗ります。

表面の質感は、こんな感じ。チョコクリーム的です。

荒壁は割れてヒビだらけになる宿命なので、
この質感が見られるのは、塗った人だけの特権です。


古民家の改修などもされるひだまりミュゼ高井さんも、一から塗るのは初めてだとか。

ひび割れを防止…するわけではないのですが、
ヒビが予想外のところに入るのを防ぐために、表面にコテ目をつけておくのを、ヒガキといいます。

まつださんが「何書いてもいい」というので、
おひさまを描くひとや、

○○参上、的な名前を書くひと。

 

しかし、まつださんのところはてきめんにチリがきれいです。(土と木部のさかいめ部分)

見てみる限りでは、そんなに難しくないように見えるから、
自分でやってみないとわからない、職人さんの技。
だからこそ、やっぱり現場に行って、やってみようよ!と思います。
Youtubeでも3Dバーチャルリアリティでもなく。

真剣なまなざしの、お施主さんTさん。

実は、おじいさまが左官屋さんでいらしたとか。
子どもの頃、左官の現場に出入りして遊んでいたりしたそうです。
きっとおじいさまも喜ばれていますね。

さてさて午後になり、コテを持つ右も、コテ板をもつ左も、だるーくなってきました。
腕が痛いと言いつつ、みなさん午後はスピードアップ。
おやつの前には道具もきれいになってしまいました。

おやつですー!


ルバーブとゆずのタルト2種。
ルバーブって?とまたワイワイ。

おやつの後も、
音楽家Sさんが、2つの声を一緒に出せる(!)実演をしながら、
住まいの古民家の壁をどうするか、という相談が繰りひろげられていたり、
ちらっと見に来たOさんのところにAさんが陶芸用の土を取りに行く話になっていたり、
おかあさんと登山に行きたいという話がでていたり、
いろんな形で、今後につながっていきそうな動きが沸き起こりながら、
2週連続のワークショップは終了しました。

【みなさんのご感想】

・ちょっと難しいかも…と思う部分もあるが、うちの改修の参考にしたい。
・普段見られない建物の中身を見られてよかった。また見に来ます。手伝いたい。
・筋トレになりました。楽しかった。
・腕が疲れる、におい、すべって転ぶ、など実体験ができた。
・においで土壁を実感した。今後も土壁をやりたくなりました。
・普段設計をしていても実際やることはないので、とてもいい経験になった。
・土で遊んでいる感覚。充実感があった。
・美術1でモノづくりはできないと思っていたが、そんなにヘタじゃないかも?と自信が沸いた。
・祖父が左官職人で、左官の現場は子どもの頃の遊び場だった。
「じいちゃんが降りてきた?!」と思ったけどそううまくはいかなかった(笑)
・明日以降もぜひ来てください。

タイムラプスも撮ったのでまたアップしたいと思います。


参加者のみなさま、お施主さんのTさんRさん、本当にありがとうございました!

 

コメント

  1. しももと より:

    ネコ押しもしますが、猫推しもしています。

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