【木部塗料5種類比較】柿渋、ベンガラ、ウッドロングエコ…あの噂のステインも!
環境配慮系塗料をメインに、木部塗料の比較をしてみました!
左から、①柿渋 ②ベンガラ ③ウッドロングエコ ④酢酸鉄ステイン ⑤ノンロット (⑥無塗装)
木材はヒノキ。表面がざらっとした粗材です。やすりがけなし。
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では順を追ってご説明を。
①柿渋
未熟な渋柿を絞って発酵させた塗料。いや、飲むと健康にもなるらしいですが。
臭いと評判ですが、銀杏が落ちているころの公園の香り。子供のころ住んでいた家におそらく使ってあって、なんだか懐かしい気持ちになります。
今回購入はこちらで。西川本店 このレトロホームページ感と柿渋愛にやられます。
塗っているところ。薄口しょうゆのような、きれいな透明の茶色です。
②ベンガラ
続いてはベンガラ。ベンガラは土から取れる成分で、語源はインドのベンガル地方からきているとか。主成分は酸化鉄と二酸化ケイ素で、有毒性はあるようですのでご注意を。
このパッケージ、かっこいいなあ。こういうのはたいてい関西ですよね。
水や油で混ぜることもありますが、今回は柿渋に混ぜて使います。
混ぜると、ふわーっと赤い色がでてきます。
③ウッドロングエコ
エコな住宅業界さんではかなり認知度の高い、ウッドロングエコ。酸化鉄・樹皮・ハーブなどの天然成分が原料。水で溶いて使います。
時間がたつと、経年変化したようなグレーになります。材によっても結構色が違くなるようです。
お値段が張るのが難点でしょうか。一般的なエコ塗料(ドイツのだったり)と比べればお安いですが。
塗ってすぐは、ただ濡れているだけのような質感。
④酢酸鉄ステイン
酢とスチールウールでつくるステイン。最近DIY方面の方にエイジング用として人気ですね。つくり方は別途記事に(…あれ、まだしてなかった)。正式名称がないようなので、勝手に名前をつけました。
酢酸と鉄の化合式を探してきてみました。(化学は苦手)
2CH3COOH+Fe→(CH3COO)Fe+H2
つくっている最中泡が出てくるのですが、あれは水素なんですね。屋外に置いておきましょう。
これを木材に塗ると、木のタンニンと結合して「タンニン酸鉄」になって、色が付く…ということで合ってますでしょうか。媒染剤として染色に使われるほか、日本をはじめアジアの一部地域ではお歯黒として用いられていた…そうですよ!
今回使ったのは10ヶ月寝かせたもの。結構熟成されています。
においも、すっぱそうだったり鉄臭かったりもせず、意外なほどマイルド。いや、これは長期熟成のたまものかもしれないので、2・3日で使う際は分かりません。
透明の、グリーンがかった液体です。
こ、これがすごい!塗ったそばから色が変わってきました。下の続報を参照。
⑤ノンロット
次にノンロット。合成樹脂塗料で、別にエコではありません。カラーはオリーブ。
他の樹脂塗料と比べたらノンロットのにおいはやさしめ、と思っていましたが、今回の他の塗料と比べると所詮樹脂塗料でした。柿渋なんて非常に平和で、いい香りですよ!深呼吸できますよ!
やっぱりそのまま流れていっても、周りに負荷をかけないものを使いたいものですね。マイクロプラスチックなどを考えても、人間の生活がどれだけ迷惑かけてるか…と思います。
⑥無塗装
最後に、比較用の無塗装が6番です。
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では以下に結果報告!
■塗装直後
■45分後
①の柿渋は原液で塗っています。薄めてもいいけど、原液のほうが木にいい、と説明書には書いてあります。
②ベンガラは、京都の町家で塗ったことがあるものより少し薄いかも。
③のウッドロングエコは乾き始めて、グレーになりかけのちょっと微妙な色合いに。
④の酢酸鉄ステイン、みるみる色が変わってきました!一番下の部分がもう一段濃くなっていますが、ここはもともとの材が日焼けしていた部分です。どのくらい持つのか、気になります。
⑤のノンロットはうす塗りです。
今回、屋外使用なので、日のあたるところにおいて、続報したいと思います!