【Neighbourwood #004】木取り・皮むき編。
【Neighbourwood】第4弾、木取り・皮むき編です!
荒山林業の100年ヒノキたちは、松川村の高梁林業さんに運ばれて製材をまっていました。
さっそくみなさんと、一本一本どのように製材していくか検討していきます。一本一本見ていって、これは4寸角に、これは梁に、などと決定していきます。香山さんや高橋さんレベルになると、直径を見ただけで、「それは7寸取れないんじゃないの」という発言が出たりと、プロフェッショナルの目利きを目の当たりに。
ちなみに皮むき隊はあちらの方々です。途中でだんごむし捕獲隊になってましたが…。
こちらは、荒山林業さんが書き込んでくださった、ひーさんのナンバリング。
アカマツの隣に生えて、根元がひしゃげてしまった方も、角材がとれるところまでは活かして。
穂先も、下のほうは製材すれば使えそう、ということでカットしたり。
せっかく出してきた材をできるだけ活かしたい、という想いをみなさん共有してくださって、2時間ほどかかって木取りの確認が終了しました。
その後、笑顔の香山さんが手を乗せている、一番太くねじれのある会員番号20番の彼をお試し製材することに。
フォークリフトで運ばれていきました。
製材所、好きです。
ヒノキのいい香りが、製材所に広がります。
皮の部分に虫が入るから…と言っていたら、あっ、もう入ってる!
急遽皮むきをして、状況を確かめます。
材にまでは入り込んでなさそう、ということが分かり一安心ですが、丸太で残そうとしていた「ひーさん」の3本は、皮むきをしていくことに。午後までみなさん拘束することになり、また血の気が引きます…。
一番玉の一本は、香山さんと荒山さんが。
無言で、修行のように、もくもくと。
残りの二本は、みんなでアーダコーダ言いながら。
しももとさんのおくさまYさんまで…ありがとうございます(涙)。
お子らは修行僧お二人のところにも出没し、剝くところだけ横取りしたりしています。
実は、伐採したての木であれば水分が残っていて剝きやすいのですが、半年ほど乾かしてあるので、非常に剝きにくいのです。(私は、爪でむいてみようとして爪が軽くはがれました。)とっかかりをつくる作業がとっても地味で、その後大きく皮がむけるときが爽快なのに、その爽快部分だけ横取りしていたと思われます…。
キクイムシの様子をまじまじと見ると、クモの脚みたい。
樹皮の下、内樹皮(師部)と呼ばれる部分に入り込むようです。なかなかアーティスティックです。
調べてみたところ、ヤツバキクイムシ?なのでしょうか、種類までは特定できませんが、およそこんな生態のようです:
4月下旬~5月上旬頃,気温が20℃を越 すような暖い日に越冬場所の樹皮下から飛び出して食餌木に飛来し,雄が最初に 樹皮の割目等から侵入し,じん皮部に交尾室をつくる。その後雌が雄の穿入孔か ら入り交尾して母孔をつくる。卵は母孔の側壁に産まれ,ふ化した幼虫は母孔に直角方向に食 害しながら成長する。
(こちらより抜粋)
おお、確かに縦に太めの穴があり、そこから直角方向に細めの穴がたくさん並んであいています。でもなんでこっちが直角だって分かるのでしょうね。また別の情報によれば、雄は集合フェロモンを出して、自分が作った穴に雌をよぶのだとか(こちら)。今、ファーブル昆虫記を読んでいるのもあって、この虫の生態に心震えます(いや、震えている場合ではない)!
これは道が太いから、また別のキクイムシなのでしょうね。道もぐねぐねです。
3本の木の皮を剝こうというだけのことなのですが、表側はかなり剝けた!と思って裏返すとまた樹皮が現れ、宇宙の無限遠に似たものを感じました。瞑想にもよいのではないでしょうか、皮むき。
誰かが新しい道具を取り出すと、「あーなんですか、それ!」とワイワイ。
「縄文時代とかも、こうやって道具の便利さに気がついて、道具が発明されていったんだろうね~」
「弥生時代に鉄器が伝来してきたときは「なにそれすごいじゃん!」とか言ったりしてね~」と、いにしえに想いをはせるみなさまです。
バールのようなものだったりナイフだったりの跡がみなさんの努力の結晶!
そんなこんなで、一時間くらいで終わるかと思いきや優に2時間以上かかって、何とか3本の皮むきを終えたのでした。
生えている樹木が木材になっていくところをこんなにも実感をもって体験させてもらえるなんて、本当に貴重で、楽しい時間でした。本日もありがとうございました!