木組み土壁のカフェ、建て方でした!【上高地線三溝駅】
土壁ワークショップを行う小さなカフェ、この週末に建て方でした!
(建て方とは、現場で建物の主要な構造部を組み立てることです)
私も地下足袋履いて、少し手伝わせてもらいました。
(いや、下をウロウロしていただけですが…笑)
材はすべて木曽のひのき。
路地奥になるため、ユニック(クレーンのある車)が使えず、
1.25tのトラックに手積み、手下ろしでした!
私も手伝いましたが、ヒノキ重いっ!
これまでは、杉の方が身近だったので、乾燥した杉材の重さの感覚は分かるのですが、
そのつもりで持とうとすると、おもっ!となります。
でも、ひのきのいい香り。鼻を近づけて深呼吸。
まずは、コンクリートの基礎の上に、土台を据え付けていきます。
土台と、「いの一番」の柱が建ったところ。
途中、写真があまり取れませんでしたが、(タイムラプス動画はこちら)
貫(ヌキ)を入れながら、柱、梁などを組んでいく、伝統的な工法です。
現在主流の方法では一般的な、すじかいも合板も金物もありません
(アンカーボルトだけあります)。
タテとヨコだけで構成されていて、うーん、美しい。
一般的な現場を見慣れている方の方が、この軸組の違いが分かるかもしれません。
そのへんは、また解説できればと思います。
それでも、普通に建てていけば、
最後の一本が絶対に入らないことはご想像いただけると思います。
それをパズルのように組み合わせていきます。
写真右手に、追っ掛け大栓(おっかけだいせん)という継ぎ方をつかっています。
これは違うか所ですが、追っ掛け大栓も、
このようなコミ栓(こみせん)というのを入れて、締めます。
棟梁は、しももと建築下本さん。
きちんと理論に基づいた手刻みによる空間は、
材は細くないのに何だか繊細な印象を受けるから不思議です。
砥の粉(とのこ)という粉を水に溶いて塗ることで、木に汚れが付きにくくする、
材を置く時は見えない面を下にする、
フローリングは仮置きして並びを決めるなど、木をすごく丁寧に扱っています。
(当たり前のことだから書かなくてもいいと言われそうです笑)
優しい人あたりの理論派大工さんのようでいて、
テレマークスキーもするとか、鷲の数も数えられるとか。一体、何者ですか。
こちらは身軽なUさん。青年部部長らしい。縄もなえるらしい。
森から材を出すところから建具までつくれるHさん。
そしておしょうゆもつくれるOさん。
(たまごかけごはんにしていただいている写真)
という、何だか面白すぎるメンバー。
お施主さんもちょっと巻き込んでみました。
奥さまは込み栓、旦那さまは貫楔(ぬきくさび)に挑戦。
奥さまが、帰ってきた旦那さまに、
「あそこの込み栓打ったんだよ~」
と言っていたのが、胸キュンしました(勝手に)。
そうそう、ちょっとでも手を出してみると、人に言いたくなりますよね。
5月なのに、信州なのに、35℃もありましたが…。
ひだまりミュゼ高井さんが持ってきてくださった白くまで回復。
垂木(たるき)という屋根の材も、3寸5分の太さ。それを、手で上げます。
いや、軽いわけではないんですよ!
夕暮れ時も近づいて、
垂木の先の、鼻隠し(はなかくし)という部材がついて、今日はここまで。
(合板が載っていますが、足場用の板です。それでも秋田の間伐材使用のものというコダワリ!)
タイムラプスのコマ送り動画も、ぜひ一緒にご覧ください!
3日分を3分にまとめてあります。
一日の終わりにはすでに、腕がバッキバキの筋肉痛になりつつ、
あーつかれた!あーおもしろかった!
という、夕暮れの満足感が、とても好きです。
人はアタマのみで生きるものにあらず、なのだと思うのです。
そんな気持ちをぜひ土壁ワークショップで共有してください!