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Landschaft

目からウロコの山ゼミに行ってきました!

公開日:2021-10-11 カテゴリー:信州, 林業, 森林 タグ:

10月3日、山ゼミ第一回に参加してきました!
いやあ、目からウロコがポロポロでした!

山ゼミは、今年度松本市で開催されている山を学ぶプログラム。「明日と100年後を森から考える」がテーマとなっています。私も関わっているソマミチが、今年度4回の企画を担当しています。

香山さんから直接話を聞いた方が圧倒的に面白いし理解が進みますが、一端でも伝わればと思い、一部ダイジェストでご紹介してみます。

まず最初に聞いたお話。

地質・地形と、気候のベースの上に、植生ができる。そこに人間の活動が加わって、森林はできている。

こうやって書いてみると当たり前のようですが、なんとも腑に落ちました。
「今ここ」の立ち位置がクリアになったというか。

そんな視点を持ちつつ、松本地域の山の歴史を紐解いていきます。

5000年前の地層から炭素が出てくる=つまり縄文時代から山焼きをしていた。花粉の分析から、室町時代まで山は継続的に破壊されていったことが分かる。江戸時代の松本藩は山の管理をよくしていたけれど、森林破壊にブレーキがかかるのは石油を使うようになってから。戦後植林が進められたけれど、そのアカマツが今枯れている。

簡略化してしまうと面白みに欠けますが、お話のなかでは、立体模型をつくった侍がいたとか、明治時代松本の山辺地区は木が一本もなかったとか、へぇ~というネタが随所にちりばめられていました。

そして話題は、今回のタイトルにもなっているマツ枯れの話に。

マツ枯れの原因となるマツノザイセンチュウは100年くらい前に外国からやってきたけれど、マツ枯れが急に増えたのは1970年代。それまでは枯れても切って使っていたためそれほど広がらなかった。

ふむふむ。そしてその対処方法として伐倒・燻蒸処理が広く行われていますが、それに関して以下のリアルなお話がすごく刺さりました。

当初は「センチュウは6月10日頃に飛び立つからその前に処理してね」といった伝達があり、その前に処理を行い、一定の効果があった。その後、予算が足りなくなり、時期に関わらず処理をするようになった(9月の補正予算がつけば処理するなど)。しかしその頃にはカミキリムシはもう飛び立っている。必要な時期に処理ができず、形骸化していった。

マツ枯れという流れは止められないけれど、森林に見向きもしなかった人たちが目を向けるきっかけになった、というのが香山さんのスタンス。

人間が関わらなければ森林は自然のまま循環している。そこから一部を切り取って、有用に使わせてもらうのが林業。そんな中で、これから山をどうしていくのか—。

ーーー

香山さんの豊富な知識と、経験に基づくお話、そして舞台俳優だった過去も納得の話術!
地形的空間軸と、縄文からの時間軸をびゅーんと俯瞰して、今ここでマツ枯れがある。とダイナミックに理解できるお話でした。(理解遅すぎと各方面から無言の圧力が…)

その日の午後は、薫さんによる岡田の里山のツアー。こちらは残念ながら行けなかったのですが、この里山の風景!

(写真はソマミチより)

 

第二回は、香山さんのお話カラマツ編+m4前田さんのアトリエ。

三城の山の中にある前田さんのアトリエはソマミチツアーでお邪魔したことがあります。見た目がかっこいいだけならいいのですが(←何が?)、3代目のお父様が開拓したという山に、そこに建てられたアトリエの建物、山の中の分校で育った4代目前田さん。
地に足の着いた生きざまが本当にかっこいいのです!

山ゼミ、今後も続きますのでぜひ一緒に学びましょう!

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