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Landschaft

【上棟3日目】込栓打ちは循環の。

公開日:2021-02-05 カテゴリー:Neighborwood, 伝統工法, 建築, 木と土と竹の家, タグ:

上棟3日目です!

 

朝いちばんの作業は、垂直を出すこと。ころび直し?よろび直し?タチを見る?と言って、下げ振りという道具で、建物が垂直かどうかを見ます。

全体として垂直はかなりいい感じだったようです。多少調整するところは、こんな道具で。

 

次は、込み栓・くさび打ち。

込み栓とは、柱と土台、または柱と桁などの仕口を固定するために、2材を貫いて横から打ち込む20ミリ角程度の堅木材のこと。

引っ張りに対して効く材で、この写真の要所要所に入っている四角い部材ですね。

げんのう(かなづち)でトントン入れていく音が響きます。

やりたーい!と言ってやらせてもらう。そして「あ〃ーーー!」

脇をたたいてしまいました。
あーあー。2か所でやめました。(1か所でやめときなさい)

言い訳兼説明をいたします。
柱と梁の四角い穴は同じ位置に開いている訳ではなくて、少しずらして開けられていて、引き付ける力が効くようになっています。つまり、固い!固いのです。一般人の力では、ほぼ全力で叩かないと入っていきません。込み栓打ちを甘く見てました。特に柱のところは固いんだとか。まあ、じぶんちだから…となぐさめてくれましたが、ここまで丁寧に扱われた材を凹ませてしまって、私も凹みました。

全部で200本以上ある込み栓、私が外した2つ以外はもちろん失敗無し。この2センチ角の出っ張りから、100%の確率で外してはならないって、天文学的確率(ちょっと言い過ぎ)。素人はコツをつかめずじまいでした。

ちなみに、家庭サイズのかなづちを持っていったら、口々に「ちっさ!」「ちっさ!」と言われました。げんのうは大きめがいいようです。。。

 

仕方ないので、そのへんを見て回ってました。

けんた束…でよかったんだっけ、もみあげのような両側が伸びたコの字型の束。組む前に写真撮らなきゃわからないですね、すみません。

ひーさんの、あっちとこっち。いやーん、べっぴんさん!

いや、べっぴんにしてもらったのですね。


ちなみに、3本継いであります。天然乾燥は、こんな風に割れが入りますが、自然な割れで、強度には影響ありません。見た目も別に問題ないですよね。(問題のないところに使う技術と審美眼は必要ということですが…)

 

あひるちゃんとけんたくんと、その上のひーさんあたりは、荒山材です。

おひさまが当たった躯体が本当にきれい。青空と躯体の写真が撮れるのはこのタイミングだけだから、今日は良いお天気でよかったよかった。

さて、そろそろお昼。
今日はお昼に、三郷小倉のかわきたさんに折り詰めをお願いしていたのです。

それが、こちら!

美しい!おいしい!ダンドリ8割!うーん、日本の技がここにも…。
かわきたさんは、言わずと知れた津村農園のひさみさん。日本料理の料理人の技と、自家製の素材の相乗効果で生まれる、静かで豊かなおいしさ。無農薬のお米はもちろん、アイガモ農法の鴨肉、家の裏にいるニワトリたちの卵、えごまや冬野菜、おしょうゆなど…。食にまつわるものの自作能力が半端ではないのです。お近くのもたいテンペさんのテンペなども入ってました。

今日は上棟のお祝いで大工さんが食べる、と伝えたら「じゃあギュウギュウに詰めときますね!」とのことで、ボリュームもあって、おめでたい感じにしてくださいました。かわきたさんは予約制でコースでいただくこともできますので、みなさんもぜひ。

(ちなみに一部入ってる経木は、伊那のやまとわさんのです)

上棟のお手伝いに来てくださっている大工のNさんが、津村さんちの合鴨解体施設を建てていたことが分かり、世間は狭いですねえ、などと言いつつお昼。昨日と打って変わって穏やかな1日でよかった。立春も超えて、日差しも暖かです。

ひさみさん、ごちそうさまでした!

 

午後は垂木を上げます。クレーンが来てくれている間に上げちゃえばよかったのにと思いますが、工程的にそうもいかず。3寸5分角をここから手渡し。
私も手伝いました(後ろ持ってただけ)。ちょっとは役に立ってよかった。

 

垂木が乗ったところ。

軒の出はここで終わりではなくて、二重になってもっと出ます。

あらかじめ切られている溝に合わせて、面戸板をはめます。

 

帰宅後、かわきたさんの折詰めの予備分を家族と食べ、
1日外にいてパリパリになった顔にソマミチのくまみつろうクリームを塗って、
近くの木で近くの大工さんに家を建ててもらっているんだなあと思ったら、
なんかこれ、実はすごい循環のなかにいるのではないか?と思った、3日目の夜でした。

 

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