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Landschaft

【上棟1日目】柱梁組みは魔法の。

公開日:2021-02-03 カテゴリー:伝統工法, 信州, 建築, 木と土と竹の家 タグ:

上棟1日目。事前に土台まで組み終わっているところに、柱と梁を組んでいきます。

手に汗握る面白さ!すごくいい舞台を、観客自分だけで独り占めしているような気持ちでした。設計兼施主特権で写真たくさん撮りましたので、ご紹介します!

と、勢いこんでみましたが、前半柱渡し係をしていたので、いきなり写真がなかった…。写真は少し進んだところ。写真奥の「いの一番」から、一通りの柱を立てていきます。

あわせて、直交方向も組んでいきます。

柱と差しがもいという横の部材を寝かせて組んでから、立ち上げていきます。(写真は後半の南面のところです)

柱を建てながら、貫を入れていきます。
貫は、厚さ一寸で、柱に三本ずつ通します。組んだ後はハシゴのように登れるくらいの強度があります。これがあるから耐力壁としての強度が出るんですね。貫ができるだけ一本に通っていると組む時も組みやすい。窓位置によってこれを貫の位置考えて窓つくれ、というのが今回の自分への教訓です。(でも窓迷うんですよね…)

柱と合わせて、梁組みも進めていきます。

かけやという大きなハンマー(木槌)で当て木をしながら叩いていきます。かーん、かーん、かーん、といい音。こだまになって返ってきます。そこんじょらの上棟とは音が違うのだよ、音が。

晴天です。

写真左から、重ねほぞ、長ほぞ、渡りあご、長ほぞ、柱に刺さっている仕口。5か所を全部見ながら組んでいきます。

写真左側からと奥側からの、2方向から横の部材を入れながら柱を立てているところ。

このすごさがうまく伝えられるか心もとないのですが、うわーそれ収まるの!という部分が随所に出てきます。
柱だけ考えても、全部普通に組んでいってしまうと、最後の一本が絶対入らないことはお分かりいただけると思います。2方向、3方向からの部材が集まってきているところは、見てるともう絶対不可能そう!
それをどうするか。基本的には、柱を下まで差し込んでしまわずに、少し遊びを持たせながら組んでいって、その遊びを活かして組んでいく、ということになります。柱を浮かせている状況は梅玄さんのときのタイムラプス動画をみていただくと分かりやすいです。1分10秒前後に柱がすとんと落ちます。
今回は梅玄さんより規模が大きいので、動画で分かるほどではありませんでしたが、近くで見ていたらやっぱり落ちた!というタイミングがありました。

こちらも直角2方向。あとの2方向も後に組まれます。

これは、雇いほぞがちょっと出てて直すお二人。アップNGですかね(笑)。←ダメだったら消すのでご連絡ください(業務連絡)。いや、これだけの部材を地上で刻んでいて、そこしか間違いがないってすごい特殊技能ですよね!

今回、しももとさんが下で采配をして、一緒に刻みをしてくださっていたUさんがメインで組んでいきました。「Uくんに呼ばれるとやなんですよねー(何か不具合があったということだから)」と言っていました。これはそんな一場面。

3段の貫を2方向から入れながら隅の柱を入れているところ。

写真左から貫が入って決まってきているところに、差しがもいを入れるところ。入らないですよね、普通。どうやったかは私の心に留めておきます。(いや、動画アップするかも)

とにかく、木の柔らかさがあってこその組み方なんだなあと実感。木のよさが活かされている訳ですね。

 

お昼には「これから魔法がないと組めないところがたくさんあるんだよなー」と言っていましたが、夕方日が陰ってきたころには、梁組みまでほぼ到達。

最後に空を飛ぶあひるちゃん!(クレーンやさんもありがとうございました。)

あひるちゃんも組まれていきます。これからどうぞよろしく。

夕方に「大工5人もいればなんとかなる」と言っていたのが何とも頼もしい。

 

そんなこんなで、長い1日。木組みの家上棟1日目はほんとに見どころ多し!でした。
また次の機会があったらみなさん1日目に行くといいですよ!(いや、信じられないほどのダンドリがあるので邪魔にならないようにそっと見守りましょう)

えーそれ収まるの!と手に汗握るのは、スポーツ観戦のようでもあり、
そのすごさが分かるのに、見る側もある程度の知識が必要なのは、歌舞伎みたいなものでしょうか。

上棟萌えの1日目でした!

 

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