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Landschaft

【実は真骨頂】墨付け前の番付会議。

公開日:2020-09-01 カテゴリー:伝統工法, 木と土と竹の家, 森林 タグ:

材がしももとさんの作業場に届き、どの材をどこに使うかを決める作業がすすんでいます。

この作業は、なんと呼ぶのでしょうか。木取りではないし、木拾いではないし…?柱梁の番付(いの一番、とか)を決める工程なので、ここでは番付編成会議(仮)とします!角界ではありません。

先行して届いているのが、木曽の勝野木材さんからのヒノキ。これに加えて、2年前に切らせてもらった大町市の荒山林業さんの材が2度目の製材を経て届きます。どちらにしても長野県産材100%の予定です。

基本的には、見せ場になるところにきれいな材を持ってくるよう振り分ける、ということなのですが、真壁なので、2面・3面と見える面がでてきます。現在一般的な大壁は、プラスターボードを貼ってしまえばどんなに節があっても関係ありません。そもそも工場で加工するプレカットがほとんどなので、こんな番付編成会議(仮)は、行われませんが。

また、窓枠となる部分も、そのまま柱材・差鴨居材が表しになるので、窓の位置あたりに節が少ないものを…というところまで検討します。また、主要な居室だけでなく、トイレと脱衣室は、素になるところだからきれいなものを、というのがしももとさんのこだわり。

こうやって、それぞれの材がそれぞれ活きる場所を見つけてあげる番付編成会議が、実はしももと構法の真骨頂なのです。

 

ここで、問題発生。
もともとヒノキは、杉などに比べて枯れ枝が落ちにくく、死節(抜けてしまう節)ができやすいのですが、今回届いた材は、その死節がこれまでの材より多いとのこと(材の等級を落としたわけではない)。

 

勝野木材さんに確認したところ、

木曽の国有林では枝打ちは行わず、自然落枝となるため、死節が発生する。成長した太い材が多くなるにしたがって、だんだんと柱材は2番玉、3番玉からとることになり、結果として死節が避けられなくなる。

という状況とのこと。詳しく説明すると:
木曽のヒノキたちは、植林されてから年月が経ち、根元に近い部分は太くなり、幅広の材などに使われるようになる

4寸(12センチ)角程度の柱は、その根元に近い部分を取った後の、上の部分から取るようになる(下から1番玉、2番玉、3番玉…と呼びます)

上の方は枯れ枝が残っている

柱に節が多くなる

 

という流れです。

 

最終的に、2梱包になっている片方は割合きれいということが分かり、なんとかやりくりできそうということになりました。

でも、山の現状を考えると、今後も柱材に節が多くなるという大きな流れは変わらなそうです。強度的に問題がある訳ではなく、あくまで美的感覚の問題です。とはいえ、無節=美しい、というのもちょっと薄っぺらい。なんせ葉っぱのおかげでここまで大きくなったのですから。でもあまり数が多いのも山小屋みたいになってしまいそう。揺れる心であります。

建築後時間がたって材の色合いが落ち着いてくれば気にならなくなるでしょうから、最初の時点である程度許容する必要が出てくるのかもしれませんね。

 

前回も書きましたが、日本の木材の生育量は1億㎥/年。
一年間に、1メートルの立方体が1億個分もの木材が増えています。今回のヒノキのように、使ってほしい材が日本中の山にたくさん待っているんだろうなあ、というのを実感しました。

 

 

少し話が逸れますが、窓位置には貫の位置にも関係してくることもよく理解できました。この期に及んで迷いが出て、窓位置変更…などとつぶやくと、しももと棟梁の鋭いお言葉が飛んできます。 バサ。(←切り落とされた音)

…伝統構法・真壁、奥が深いなあ。

 

 

次回は、そろそろ墨付け?刻む印をつけていく段階です。こんな実寸の矩計り尺を作って使います。

 

お楽しみに!いや、自分が一番楽しみです!

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