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Landschaft

レーモンドの五原則と、自然と人工と。

公開日:2018-06-30 カテゴリー:建築 タグ:

建築家アントニン・レーモンドの五原則。

① SIMPLE(単純さ)
② HONEST(正直さ)
③ DIRECT(直截さ)
④ ECONOMICAL(経済性)
⑤ NATURAL(自然さ)

すごく簡単そうなルール。でも忘れてしまいがちな。

 

もうひとつ、レーモンドの言葉から。

「次に述べる永久不変の諸原則は、美学的見地から、いつも私の作品を支配しているものである。自然は人工より美しい。単純さと軽快さは複雑なものよりも美しい。建物の広さにしても、材料にしても、節約は浪費よりも美しい結果を生む。」

私と日本建築 (SD選書)

個人的に一番ぐっとくるのはこの一節。

自然は人工より美しい。

本当に、そう思います。

 

例えばこの地衣類。 (ヒメゲジゲジゴケ?分かる方教えてください)

人間が、これよりうつくしいものが作れることは、たぶんない。

 

人間は、自然にできたものだから、そこはぶれずに美しいと思う。いや、おかしなこともするけれど、美しいと、思おう。それと比べると、人間がつくる人工物は、二次生産品というか副産物というか(主にゴミと産廃だったりして)、残念なものがたくさんある。もちろん美しいものも感動するものもあるけれど、自然がつくったものにかなう事は、きっと未来永劫ないのではないだろうか。

人間は、それでもモノをつくりたい。だからこそ、絶対かなわない自然の隣にそっと置いておけるようなものを、つくりたいと思う。身のほどで、できるだけ美しく、よく古びていって、いつかくさっていく。そんなものを。

わたしたちは、何も誇示することはなくて、生きているだけで美しいのだから。

 

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